読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

脳の運動

文を書く練習と忘備録、日々の活動などについて。

ネットワークビジネスの勧誘を断った話。

レポート

こんちわ。

ここ何日か記事にし続けている「活動(葛藤)記録」。

その中で、ぼくが悩み苦しむ原因になったもの。

少しだけ前に歩けるようになったきっかけ。

それらを、投げ捨てました。

 

結論から言うと、ぼくは「ネットワークビジネス」の「ブラインド勧誘」をされていました。

詳細については、今日までの「活動(葛藤)記録」を見ていただければと思います。

 

活動記録をつけ始めたのも、お金と向き合う機会をくれたのも、生きるための挑戦を始めることになったのも、この出来事に関わった全ての方々のおかげです。

感謝しているからこそ、信じたいからこそ、どんどん不安は大きくなり、やがて怒りに変わってしまいました。

そしてその怒りは、人を傷つけることで情報を引き出す、という手段をぼくに取らせました。

 

10月22日。

その日、とあるセミナーの事前説明を受けることになっていました。

友人への相談や、インターネット、いくつかの書籍を通して生まれた疑問と不信感。

ぼくは、それと真っ向から向き合うため、後悔を残さないために前もって準備をし、待ち合わせ場所である都内のカフェへ向かいました。 

 

以下、拙い対話形式ではありますが、そのときの簡単なレポートになります。

録音した会話を元に添削を行なっていますが、全て事実に基づいた内容です。

 

【登場人物】

・ぼく:勧誘された人。

・Kさん:ぼくを勧誘した人。

・Bさん:Kさんの「師匠」。すごいお金持ちらしい。

 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

09:15 にKさんと合流。ぼくはノートPCと、スマホ(録音用)を机の上に置いた。

簡単な挨拶を終えると、早速KさんがA4用紙を取り出し、説明を始めようとしたので、静止した。

「ぼくの質問に答えた後で説明してください」

この提案を、Kさんは飲んだ。

 

ぼく:今日のセミナーの主催者、つまり、受講料の行き先はどこの誰ですか?

K:コンプライアンス上答えられない。主催者、と言う言い方はちょっと違うかな。

ぼく:違う、とは?

K:主催者というか…企業なんだよね(ばつが悪そうに)。 

ぼく:企業ってことは、今日のセミナーは、事業説明会、という認識で良いですか?

K:まぁ、そんな感じだね。

ぼく:今日のセミナーの「議題」は知っていますか?

K:Bさんが契約しているビジネスの説明だよ。

ぼく:なるほど。その企業名は?

K:それは、これから説明するから…

ぼく:これから?今じゃダメですか?

K:うん、コンプライアンスがあるから、先に全部説明した上で、話し合えると思う。

ぼく:企業名も明かせないようなコンプライアンスが成立するんですか?

K:うん、だから、今から説明するね。

ぼく: いえ、企業名だけ先に仰ってくれませんか。それからまた質問します。

(意味のない問答が続くので省略)

K:「M社《名は伏せます》」って会社なんだけど…

ぼく:ええ、名前だけなら聞いたことあります。

ってことはネットワークビジネスの話をこれからするんですね?(ハッタリ)

K:そう…だね(やはりばつが悪そうに)。

 

ハッタリがうまくいった。と同時に、強い失望がやってきた。

 

ぼく:それを早く言ってくださいよ。変に警戒しちゃったじゃないですか。

K:やっぱり、不安がある?

ぼく:はい。ぶっちゃけ、いい話あんまり聞かないじゃないですか。でも、メリットは感じているので、良い情報があれば是非吸収したいと思っています。ネットワークビジネスの中でも、御社はちゃんとしてる事業主さんじゃないですか(ハッタリ3)。マルチ商法ねずみ講とか、そういうのだったら嫌だなーと思っていたので、安心しました。

K:あ、もうその辺の違いは理解してるんだね。

ぼく:はい。あれから個人的に本を2、3冊読んで勉強しました。「ネットワークビジネス9つの罠」とか読んだことあります?

K:いや、読んだことない。

ぼく:そうですか。調べてるうちに、いろいろ不安になっちゃったんですよ。で、いくら調べても、会社の詳細や体系が掴めなかったんで、Kさんから直接伺いたかったんです。

K:それは、それは。

(しばらく無駄な問答が続くので略)

ぼく:Kさんは、このセミナーに何年前から、何回くらい参加しているんですか?

 K:俺自身はかなり…何百回と行ってるんじゃないかな。2年半くらい前から参加してるよ。その頃からBさんの下で勉強してる。

ぼく:なるほど、それで共通の価値観を持つに至ったんですね。それまでの間、いろんな葛藤とかあったんじゃないですか?

K:俺自身、過去に別の企業からブラインド勧誘を受けた経験が二、三回あってさ。

ぼく:えっ。

K:そういうのがあってからの、Bさんとの出会いがあって、今に至るんだ。

ぼく:KさんはすでにM社でビジネスを始めてるんですね?

K:そうだね。

ぼく:ぶっちゃけ、どのくらい儲かってます?

K:正直なところ、まだ見せれる結果っていうのは…まだない。

 

ぼくが抱いていたネットワークビジネスへの幻想と、わずかな期待が、ここでやっと壊れてくれた。

 

ぼく:申告が必要なほど利益が出てないってことですね。

K:申告?

ぼく:青色申告のことです。

K:えーと、それは、どういう申告のこと? 

 

Kさんがビジネスの素人であることが、この時明らかになってしまった。

 

(無意味な問答が続くので略)

ぼく:実はこれから、宅建行政書士の勉強をしようと思ってるんですけど、どう思います?

K:それは、どうして?

ぼく:起業するために必要な資格だと思うからです。不動産や、会社設立時の手続きに絶対使いますよね?それに、資格を活かした自営業も可能になります。それで資金と技術を蓄え、起業するというステップが自分の理想です。

K:なるほどね。わかりました。そういうことね。

 

返事がだんだんと適当になってきたので、Kさんはぼくのことをめんどくさい奴だと思い始めているのがわかった。

ここで、動揺を誘うためだけの無意味な嘘をつくことにした。

 

ぼく:これまでぼくはずっと騙されたふりをしていたんですが、気がつきましたか?

K:それは、どういうこと?

ぼく:過去に、今回とほぼ同じ流れで、マルチ商法に引っかかったことがあります。

 

もちろん嘘だ。

 

K:(無言)

ぼく:ぼくの提出したたくさんの「読書感想文」、ちゃんと読みました?あれ、ほんの1日で書ける内容だと思います?(ハッタリ。実際に書いた)

K:いやー、ちゃんと書いたんでしょ?すごいよね。

ぼく:前に話した、ぼくの習慣覚えてます?(ハッタリ)

K:習慣というと?

ぼく:あ、覚えてないならいいです。

 

ハッタリそのものはかわされたが、Kさんの体は、「嘘と動揺のサイン」を連発していた。手がふるえ、目が泳ぎ、顔をさわり、しきりに体をよじる。

 

ぼく:ぼくのこと全然見てくれてないんですね。Kさんも、Bさんも。

K:いや、そんなことは…。

ぼく:ごめんなさい、さっきの全部嘘です。

K:嘘?どういうこと?

僕:ずいぶん動揺なさってますね。手が震えていますよ。

K:いや、そんなことないけど。

 

混乱しているのは明らかだったので、このタイミングで核心を突いた。

 

ぼく:あの、はぐらかさずに全部答えてもらえますか?ぼくを何に勧誘しようとしているんですか?

K:勧誘?どういうこと?今日はあくまで、説明会だよ。

 

「今日はあくまで」という部分が引っかかった。

明日や明後日は、何をされるのだろう、と恐怖を感じた。

 

ぼく:なるほど。実際にそのビジネスをやるかやらないか、今日決める必要はないということですね。

K:もちろんだよ。いきなり登録させるというのは、ありえません。

ぼく:どうして初めにそう説明してくれなかったんですか?

K:日程以外を伝えられてなかったから、コンプライアンスの都合上、説明できなかったんだ。

 

セミナーの内容が不明であるにもかかわらず、ぼくを誘った。

それは、セミナーの内容自体は重要ではなく、とにかく会場へぼくを連れて行く必要があるからだと思った。 

コンプライアンス」という言葉も、情報を隠すための言い訳に聞こえた。

 

(無意味な問答が続くので略)

ぼく:Kさんが最初にぼくに声をかけた日のこと、覚えてます?二人きりで飲みに行った時のことです。

K:もちろん覚えてるよ。

ぼく:あの後すぐにBさんを紹介してくれたじゃないですか。それはどうしてですか?たった一回の飲みでぼくのことが理解してもらえたとは、思えないんですが。

K:飲み会ではよくわからなかったんだけど、その後で君と話をしていくうちに、熱意とやる気を感じたんだよね。

ぼく:その根拠はなんですか?

K:それはだから、Bさんも交えて話していくうちにだんだんわかっていったんだよ。

 

質問に答えていないし、時系列もおかしい。

言っていることが全て本当なら、Kさんはぼくのことをよく理解せず、何の根拠もなしにBさんへ紹介した、ということになる。

 

K:君が急に会社辞めたことも気がかりだった。

ぼく:ぼくと同じ時期に会社辞めてる方が何人かいますよね?その人たちには声かけてないんですか?

K:いや、僕は声かけてないよ。

 

突然、Kさんの一人称が「俺」から「僕」になった。

ぼくはこれを、「嘘をついた」ときのサインだと受け取った。

「僕は」声をかけていない、という言い方にも引っかかりを感じた。

 

ぼく:声をかけなかったのはなぜですか?

K:君と話をしていく中で、「頑張りたい人だ」っていうのが伝わったし、実際に勉強したいってのを言葉にしてくれたからだね。

 

他の人に声をかけなかった理由を聞いたつもりだったのだが…。伝わっていないようだ。

どんなに質問しても、明確な根拠が明らかにならない。

根拠を話したくないのか、それともそもそも根拠自体無いのか。

どちらにせよ、信用に値する人物では無い、とぼくは判断し、話を切り上げるための手を打つことにした。 とにかく攻撃して、諦めさせるつもりだった。

 

ぼく:ぼくの意思も言葉も、全部嘘だったらどうします?(最後のハッタリ)

K:え、嘘ってどういう…嘘だとしても、俺はそれを信じて、受け入れるだけだよ。

ぼく:じゃあ全部嘘でいいです。帰ってもいいですか?

K:なんで?

ぼく:ぼくはネットワークビジネスそのものを危険視しています。ぼくはさっき、過去に騙されたことがあるって言いましたよね?

K:えぇ〜っ、それは嘘だったんじゃないの?

ぼく:はい、嘘ですよ。ご自分で気付かれているかわかりませんが、Kさんは「自信がない時」にマスオさんみたいな声で「えぇ〜っ」って言うんですよ。

K:いや別に、自信がないわけじゃなくて、ただ考えてるだけだよ。

ぼく:二年半もそのビジネスをやっていて、考え込んだ末に曖昧な情報しか提示できない。その程度しか学んでいないということでいいですね?

K:えぇ〜っ。

ぼく:それに、いちいちBさんにぼくの意見や感想を伝える必要があったのがよくわからなかったです。師匠を通さないとお話もできないんですか?

K:(無言)

ぼく:あと、ぼくはあなたに自分の思想や家族構成、人生遍歴などを数多く話しました。でもあなたはぼくに何も話してくれない。ぼくはあなたのことを何も知らない。ぼくは見ず知らずの人間と、大して仲良くもなかった元同僚に、自分の個人情報をさらけ出すリスクを負ったんですよ。それに見合った返答が何も得られないから、信用に値しないと言いたいんです。

(無意味な問答略)

ぼく:ぼくはBさんのビジネス形態や、業績、経歴などをよく知りません。普通、そう言ったものって事前に教えてくれるか、調べれば出てくるものですよね?

K:それは、Bさんにあった時に聞けばいいんじゃないの?

ぼく:今、Kさんの知っている範囲で、Bさんのことを教えてください。

K:それはプライベートな話だから…。

ぼく:じゃあ、代わりにKさんのことを教えてください。ビジネスで得ている月々の収入を、具体的に教えてくれますね?

K:収入、と言われても、具体的な収入がまだ出てないから説明しようがない。

ぼく:収入がない、と仰るんですね?ということは逆に、負債が生じていると?

K:そうだね。そうかもしれない。

ぼく:具体的な金額を教えてください。

K:具体的?具体的というと?

(押し問答が続くので略)

K:…200万円の、負債が、あります。 

 

200万円の負債。

ぼくにとっては、気が遠くなるような金額だった。

 

ぼく:どうしてそれほどの負債を抱えながら2年半も続けているんですか?

K:師匠に自ら頭を下げて弟子入りした手前、勝手にやめることは人道に反するし、まだまだ勉強中の身であるから、成果が出るまで頑張りたいと思っている。Bさんの下でなら、成長できる確信がある。

ぼく:「成長できる」その確信はどこから?

 K:実際にBさんが成功している姿を見ているからね。

ぼく:自分もそうなれると思っているんですか?

K:そうなれる、というか…。俺はBさんそのものになりたいわけじゃなくて、俺なりの成長がしたいと思ってる。 

ぼく:あなたなりの成長というのはどんなものですか?

K:それを今、Bさんの下で探している最中なんだよ。

ぼく:2年半続けて、明確なビジョンが見えていないということですね?

K:逆に君のビジョンはどういうものなの?

ぼく:先ほどお話したと思いますが。

K:資格を取って…みたいなやつ?

 

「みたいなやつ」という発言を受け、恥ずかしながらぼくの怒りは頂点に達してしまった。自分のこともわからない、他人のこともちゃんと見ようとしない人に、どうしてぼくはついていってしまったんだ、と思った。

こんな人に、心を預けるわけにはいかなかった。

 

この後ぼくは、「Kさんが信用できないのでこれ以上お話しするつもりはありません」 という旨の言葉を、思いつく限りの方法で言い換え、伝えようとした。

しかし、それはうまくいかなかった。

信用できない根拠をいくつあげても、怒りに任せて暴言を吐いても、Kさんの態度は変わらなかった。

 

「折れない心」というものは、強い信念や努力から生じるものだとぼくは思っていた。

しかし、もっと簡単な方法でそれを手に入れることができると、Kさんとの会話の中で知った。

盲信と、思考停止だ。

 

もう、どれだけ理屈を並べてもKさんには伝わらないし、ぼくが首を縦に振る以外では態度を変えないだろう、ということがわかり、一周回って素直に「すごいなぁ」と思ってしまった。

 

ぼく:KさんやBさんの考え方や理想は、とても素晴らしいものだと思います。ぼくもそれに触れ、良い影響をたくさん受けることができました。それについては感謝しています。

K:いや、こちらこそありがとう。

ぼく:ただ、人の信用を得るという点で、Kさんは方法を誤ってしまったのかもしれません。

K:うん、そうかもしれないね。

ぼく:この経験を次に生かして、自分のビジネスを大きくしていってくださいね。もし、Kさんが今後成功することができたら、その時に改めて話を聞かせてください。

K:わかった。頑張ります。

ぼく:それでは、これで。

 

驚くほどあっさりと、帰ることができた。

結論から言うと、疑問や否定から入るのは失敗だった。

この手の勧誘を行っている人は、皆自分が絶対に正しいことをしているという自信を持ち、夢と理想を精一杯語り、自分と同じビジョンを見せようとしてくる。

だから、都合の悪い言葉や態度から、目を背け続けることができる。

嘘やハッタリ、罵詈雑言で心を掻き乱すことはできても、根底にある「盲目的な自信」そのものを揺さぶることはできなかった。

 

ぼくはKさんのことを不幸だと決めつけていた。

騙された過去を持ち、負債が200万円もあり、本業とネットワークビジネスを精一杯両立し、友人を失っていく。そんな人生が幸せなわけがない、と思っていた。

しかし、そんな状況にありながら目を輝かせ、おぼろげな夢を語り続ける様子は、不幸とは程遠いように見えた。

綺麗なものをひたむきに追いかけ続けるというのも、一つの幸せなのかもしれない。

 

今回、ぼくが取るべきだった手段は、まず相手の努力を肯定すること。

そして感謝の言葉を投げかけながら次の目標へ目を向けさせ、ゆっくりと身を引くことだった。

これが勧誘者全てに通用する手段ではないかもしれないが、エネルギーの分母が無限の人間相手に、ダメージを与えようとするのは無駄だということがわかった。

 

もし、怪しい勧誘を受け、断ることが難しいと思った場合は、無理に戦おうとせず、相手の考えや提案を受け入れてみる(ふりをするだけでもいい)。

そして、会う約束などを一旦先延ばしにし、そのまま連絡を経つと行った方法をとれば、双方傷つかずに解決するかもしれない。

一番恐ろしいのは、こちらが疑問や不安を抱けなかった時だ。

ぼくは自分の中にある疑問や不安に気が付くまで時間がかかったため、少し苦労することになった。

なにはともあれ、ぼくはなんとか現実に帰ってくることができた。

 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

以上でレポートは終わりです。

長駄文によるお目汚し、大変恐れ入ります。

そしてここまで読んでくださり、どうもありがとうございます。

 

具体的な対策をまとめておくことにします。

最善の方法は、あまり親しくない相手と二人きりで食事に行かないこと。

「すごい人」や「お金持ち」、「師匠」を紹介すると言われたら、疑いを持つこと。

もしハマる直前で少しでも不安を感じたら、そのまま黙って連絡を断つこと。

しつこく言い寄ってくる相手だったり、家の住所を知られている場合は、思想を肯定し、感謝の意を伝えた上でやんわりと断ってみましょう。相手にかりそめの達成感を与えれば、それで満足するかもしれません。

 

以上、アークレイ山地の洋館よりお送りしました。